この記事を書いた人:なかじぃ 家のみ研究家 / 家庭料理研究家 むかしから、自宅に友人同僚を読んでの家のみで料理しながらの飲みが趣味。
もちろん、日常の料理もしっかりと行います。サラリーマン時代にはサラリーマンNしまの毎日レシピで料理ブログで人気を博す。
「インスタで見たあの顔より大きな唐揚げ、今週末の夕食に出して家族を驚かせたい!」
そう思ってレシピを検索したものの、「タピオカ粉(地瓜粉)」や「五香粉(ウーシャンフェン)」といった聞き慣れない材料が並んでいて、そっと画面を閉じてしまった経験はありませんか?
「わざわざ使い切れないスパイスを買うのはもったいないし、普通の片栗粉で作ったら、ただの大きな唐揚げになってしまいそう…」
そのお悩み、痛いほどよく分かります。私も最初はそうでした。でも、諦めないでください。実は、どこのスーパーの乾物コーナーにもある「白玉粉」を使えば、タピオカ粉がなくても、あの本場台湾の「ガリガリ・ザクザク」とした食感は完璧に再現できるのです。
しかも、五香粉は家にあるスパイスで代用可能。油もフライパンの底1cmあれば十分です。
今日は、特別な専門店に行かなくても、スーパーの材料だけで家族が「えっ、お店の!?」と二度見する、魔法のダージーパイ再現レシピをお伝えします。
なぜ「普通の唐揚げ」になる?本場のザクザク感の正体

多くの人がダージーパイ作りで失敗するのは、味付けではなく「食感」です。日本の唐揚げと同じように「片栗粉」だけで作ると、どうしても衣が軽く、サクサクとした「竜田揚げ」のような仕上がりになってしまいます。
なぜなら、本場台湾で使われている「地瓜粉(さつまいも粉)」や「タピオカ粉(キャッサバ粉)」と、日本の「片栗粉(じゃがいも澱粉)」では、粉の粒の大きさが決定的に違うからです。
片栗粉は非常に微細な粒子であるため、揚げると薄く繊細な衣になります。一方、地瓜粉やタピオカ粉は粒子が粗く、水分を含んでも粒が残りやすいため、揚げた時にあの独特のハードな「ザクザク感」が生まれるのです。
つまり、本場の食感を再現するために必要なのは、特別な粉そのものではなく、「粒子の粗さ」を物理的に作り出すことなのです。
衣の食感を決める「粉の粒度」比較図

【核心】スーパーの「白玉粉」をあえて粗く砕くのがコツ
では、どうやってその「粗い粒子」を家庭で用意すればよいのでしょうか?ここで登場するのが、今回の主役である「白玉粉」です。
白玉粉はもち米から作られており、加熱すると硬くなる性質があります。そして何より、袋から出した状態ではゴロゴロとした大きな塊ですよね。この形状こそが、タピオカ粉(地瓜粉)の代用として白玉粉を使う最大の理由です。
ここで最も重要なポイントをお伝えします。
白玉粉は、絶対に粉々にしてはいけません。
多くのレシピでは「白玉粉を粉末にする」と書かれていますが、それでは片栗粉と同じになってしまいます。ジッパー付きの保存袋に白玉粉を入れ、麺棒で叩く際は、あえて「米粒くらいの大きさ」の粗い粒を残してください。
この粗く砕いた白玉粉と片栗粉を「1:1」の割合で混ぜ合わせることで、片栗粉がつなぎとなりつつ、点在する白玉粉の粒が揚げた時にガリッと弾け、あの憧れのザクザク食感が生まれるのです。
なぜなら、この点は多くの人が見落としがちで、丁寧に粉末にしてしまうと、せっかくの白玉粉の効果が半減してしまうからです。「ちょっと粗すぎるかな?」と不安になるくらいが、揚げた時に最高のザクザク感を生んでくれます。この知見が、あなたの成功の助けになれば幸いです。
五香粉は買わなくてOK!家にあるスパイスで台湾の香りへ

食感の次は「香り」です。ダージーパイ特有のエキゾチックな香りの正体は「五香粉(ウーシャンフェン)」ですが、このためだけに買うのは気が引けますよね。余らせて賞味期限切れになるのがオチです。
そこで、五香粉の代用として、どこの家庭にもある「シナモン」と「カレー粉」を使います。
五香粉は、スターアニス(八角)、シナモン、クローブ、花椒などをブレンドしたスパイスです。この中で、甘くスパイシーな香りの中心となるシナモンをベースに、複数のスパイスが混ざり合った複雑さをカレー粉で補うのです。
配合は以下の通りです。
- シナモンパウダー:小さじ1/2
- カレー粉:小さじ1/4
この組み合わせなら、五香粉独特の薬膳っぽい香りが苦手なお子さんでも食べやすく、かつ台湾の夜市を感じさせる本格的な風味を楽しめます。
なぜなら、カレー粉を入れすぎると、台湾風ではなく完全に「カレー味の唐揚げ」になってしまうからです。カレー粉の主張は想像以上に強いので、小さじ1/4という分量を守ることが、台湾の香りを再現するカギとなります。
顔より大きく!鶏むね肉の「観音開き」と「揚げ焼き」術
ダージーパイのもう一つの魅力は、その圧倒的な大きさです。安価な鶏むね肉をご馳走に変える魔法、それが「観音開き」と「叩き」です。
まず、鶏むね肉に包丁を入れ、厚みが均一になるように左右に開きます(観音開き)。そして、ラップで肉を挟み、麺棒で全体を均一に叩いて伸ばします。
この工程には2つのメリットがあります。
- 巨大化: 繊維が壊れて肉が広がり、顔サイズまで大きくなります。
- 柔らかさ: 加熱しても肉が縮みにくくなり、冷めても柔らかい食感を保てます。
厚さは7mm〜1cmを目指しましょう。薄くすることで火の通りが早くなり、生焼けの心配もなくなります。
そして、調理法は「揚げ焼き」です。直径20cmを超える肉を揚げるために、鍋なみなみの油を用意する必要はありません。
揚げ焼きという手法を使えば、フライパンの底から1cm程度の油で十分調理可能です。スプーンで熱い油を肉の表面に回しかける「アロゼ」というテクニックを使えば、少ない油でも両面をカリッと香ばしく仕上げることができます。これなら、調理後の油の処理も楽ちんですね。
【実践レシピ】失敗知らずのザクザク・ダージーパイの作り方

それでは、いよいよ実践です。スマホをキッチンに置いて、一緒に作っていきましょう。
【材料(2枚分)】
- 鶏むね肉:1枚(300g〜350g)
- [A] 下味
- 醤油、酒:各大さじ2
- 砂糖:大さじ1
- おろしニンニク、おろし生姜:各チューブ2cm
- シナモン:小さじ1/2
- カレー粉:小さじ1/4
- [B] 魔法の衣
- 白玉粉:50g(粗く砕く)
- 片栗粉:50g
- 揚げ油:適量(フライパン底1cm程度)
【作り方】
- 肉を広げる
鶏むね肉は皮を取り除き、観音開きにして厚みを均一にします。半分に切って2枚にし、ラップで挟んで麺棒で叩き、厚さ7mm〜1cmになるまで大きく伸ばします。 - 下味をつける
ポリ袋に肉と [A] を入れ、よく揉み込んで15分〜30分ほど置きます。 - 衣を作る(最重要!)
別のポリ袋に白玉粉を入れ、麺棒で叩いて「米粒大」に砕きます。そこに片栗粉を加えて混ぜ合わせ、バットに広げます。 - 衣をつける
汁気を軽く切った肉をバットに入れ、手でギュッギュッと押さえつけるようにして、衣をたっぷりまぶします。白玉粉の粒が肉に張り付いていることを確認してください。 そのまま5分ほど置き、衣を馴染ませます。 - 揚げ焼きにする
フライパンに油を1cmほど入れて170℃に熱し、肉を入れます。片面3分ずつ、こんがりときつね色になるまで揚げ焼きにします。途中、スプーンで油を表面にかけながら揚げると、よりザクザクになります。
まとめ:今週末は「おうち台湾夜市」で家族を驚かせよう
いかがでしたか?
「タピオカ粉がないと無理」「五香粉は使い切れない」といったハードルは、スーパーにある「白玉粉」と「いつものスパイス」で簡単に飛び越えられます。
- 白玉粉はあえて粗く砕いて、ザクザク感を演出する。
- シナモンとカレー粉で、台湾の香りを再現する。
- 鶏むね肉は叩いて広げ、少ない油で揚げ焼きにする。
この3つのポイントさえ押さえれば、あなたの家のキッチンから、あの台湾夜市の熱気と興奮を生み出すことができます。
揚げたてのダージーパイを食卓に出した瞬間、家族が「でか!」「お店みたい!」と目を輝かせる姿を想像してみてください。その笑顔と驚きこそが、作り手であるあなたへの最高のご褒美になるはずです。
さあ、まずはスーパーで白玉粉をカゴに入れてみてください。その一歩が、週末の食卓を台湾夜市に変える入り口です!
[参考文献リスト]
- 【本場台湾の味】鶏肉の唐揚げ、大鶏排(ダージーパイ)の作り方 – 三越伊勢丹 FOODIE
- 台湾からあげ! 大鶏排(ダージーパイ)のレシピ動画・作り方 – DELISH KITCHEN
- 大鶏排(ダージーパイ) | 玉三白玉粉でおなじみの川光物産 – 川光物産株式会社


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